上田勇一 シルバーポイントによる作品  

銀筆/Silver Pointとは、直径2ミリの銀の棒をやすりで磨き鋭利に尖らせたもので描く。美しく磨かれた石膏地に銀で描かれた線は、時間の経過と共に酸化してややこげ茶色に変化するという特徴を持つ。ヨーロッパ中世に起源を持つこの技法に作家は魅せられ、追及している。この仕事は、集中力と忍耐を要求する。現代のインスタントなスピードの時代にあり、作家は最も非現代的と思われる仕事に没頭する。その制作の歩みは遅々としている。作家にとって表現とは何であろうか。モチーフとして与えられた物に特に深い意味はないような気がする。きわめて細い銀筆によって描かれた細い線によって形成される画面は、銀筆の硬質な素材とは別にやわらかなうすい絹のような質感をつくり出す。そこには永遠の時間が留まるような有機的な奥行きを持った空気感が現出する。作家は、決して急がない。おそらく、綿密に描ききることによってしか得られない充実を知っているのだろう。

〔技法説明〕

シルバーポイントヨーロッパ・ルネサンス期から使用されている素描道具(材質は銀)。特徴として、普遍性に富み、描き終えたあとにセピア調に変化する。

カゼインテンペラ古代からすでに壁画等に使われおり、水分が蒸発すると非水溶性となる。カゼインは牛乳中のタンパク質で、酸を加え凝乳部分を使用する。油、樹脂とも良くまざり、媒剤としてすぐれている。


略歴

1974 東京生まれ

1995 高橋勉氏に師事し古典絵画技法を学ぶ

1996 日本工業大学工学部建築学科卒業 同大学同学科研究生(98年まで)

 

収蔵
    愛媛県美術館


個展/グループ展

1998 第1回象の会展(ギャラリーモテキ/銀座)

2000 個展(ギャラリー恵風/埼玉 越谷)2000200420052006200720092010 も開催

     個展(ぎゃらりぃ朋/銀座)

2003 第38回昭和会展 賛助出品(日動画廊/東京)

     個展 (新生堂/南青山

2004 第4回新たなる視覚展(日動画廊/福岡)

     第39回昭和会展 賛助出品(日動画廊/東京)

2005 第5回新たなる視覚展(日動画廊/福岡)

     第40回昭和会展 賛助出品(日動画廊/東京)

2007 チャリティ−絵画展(松山市コミュニティセンター 主催・日動画廊 後援・愛媛新聞社

     第38回日動展 創業80周年記念展(日動画廊/東京) 

2010 文化庁「地域振興プラン」ミルコトカラハジマル 自然との対話展(愛媛県美術館・新館)

     個展(アスクエア神田ギャラリー/東京)

2011 個展(ギャラリーかわにし/愛媛)

     他グループ展多数出品

 

受賞

1999 第16回FUKUIサムホール美術展 大賞受賞

     第6回ギャラリーピクチャー大賞展 審査員賞

     第3回熊谷守一大賞展 賞候補(岐阜美術館巡回)

2001 第5回新生展 大賞受賞(新生堂/南青山)

2003 第38回昭和会展 優秀賞受賞(日動画廊/東京・大阪)

     現代日本美術会会員推挙賞受賞

2004 現代日本美術会大賞受賞

上田勇一 展  UEDA Yuichi  上田勇一公式ホームページ

2012.1.20-2.4 



1.ときのあいだ

43.0p 直径


2.やわらかなひかり

45.0×45.0



bR.やわらかなひかり

20.0×45.0



bS.まめたろう

22.0×27.2



bT.洋梨

27.0×30.0



bU.洋梨

29.0×60.0



bV.みつめるかわりに

21.0×26.0



bW.あたためる

30.0×55.0

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